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富士・富士宮で家づくりDIY!成功ポイント4選とできること/できないこと

家づくりに興味を持つと、多くの人が一度は「DIYでできないだろうか?」と考えます。DIYは「Do It Yourself」の略で、自分の手で作業を行うことを意味します。家具やインテリアの自作にとどまらず、近年では家そのものをDIYで建てる事例も話題になっています。

ただし、家を建てるというのは家具づくりとは比べ物にならない大きなプロジェクトです。富士市・富士宮市のように地盤や気候に特徴がある地域では、DIYに挑戦する際に特に注意すべき点があります。本記事では「家づくり DIY」「家造り DIY」というキーワードに基づき、DIYでできることとできないこと、実践のコツ、富士・富士宮ならではの視点を詳しく解説します。

家づくりDIYとは?

まずは「家づくりDIY」という言葉の意味を整理しておきましょう。DIYと聞くと小物や家具を作るイメージが強いですが、住宅業界ではより幅広い意味で使われています。

家づくりDIYとは、家の建築やリフォーム、インテリア作りの中で施主自身が自分の手で行う作業を指します。大きく分けると以下の3つがあります。

建築本体のDIY(セルフビルド)

建築本体のDIY、いわゆる「セルフビルド(self-build)」は、家の基礎・構造・屋根までを自分の手で建てる方法です。
海外、特に北欧やアメリカでは、土地が広く法的制約が少ない地域を中心に、家族や仲間と協力して住宅を建てる文化があります。コストを抑えながら“自分たちの手で暮らしをつくる”という精神が根付いており、環境に合わせたサステナブルな家づくりとしても注目されています。

一方、日本では建築基準法や耐震基準が厳しく、構造部分を素人が施工するのは難しいのが現実です。
ただし、富士・富士宮のように自然環境が豊かでDIY文化の根強い地域では、古民家をリノベーションする形でのセルフビルドが増えています。基礎や構造は専門業者に任せつつ、壁や床、屋根の仕上げを自分で行う“ハーフセルフビルド”なら、法的にも安全面でも実践しやすい方法です。
自分の手で家をつくる体験は愛着を深めるだけでなく、メンテナンス力の向上にもつながります。

部分的な施工のDIY

部分的な施工のDIYは、家づくりの中でも人気の高い分野です。
壁の塗装や床のフローリング貼り、タイル貼り、ウッドデッキの設置など、完成後の雰囲気を左右する仕上げ部分を施主自ら行うスタイルです。

最近では、地元の工務店と連携して「施主施工OK」のプランを提供するケースも増えています。
たとえば、工務店が構造体や配線・配管などの専門工程を終えた後、施主が壁の漆喰塗りや床張りを担当する形です。こうした協働スタイルなら、コストを抑えながら“自分の家を自分で仕上げる”満足感を得られます。

富士・富士宮では自然素材を扱う工務店も多く、地元産の木材や漆喰を使ったDIYが人気です。
家族や友人と一緒に作業することで、家づくりの過程そのものが思い出になり、完成後の家への愛着も一層深まります。

内装・外構のDIY

内装や外構のDIYは、初心者でも取り組みやすく、安全性の確保もしやすい分野です。
室内では照明器具の取り付け、棚づくり、ペイント、カーテンレール設置などが代表的。これらは電気工事の資格が不要な範囲で行える作業も多く、デザイン性と実用性を両立できるアレンジポイントです。

外構では、フェンスや花壇、ウッドデッキ、芝生の整備などをDIYで行う人が増えています。
特に富士・富士宮のように自然に囲まれた地域では、庭づくりを通して季節の変化を楽しむ家庭が多く、“暮らしを育てる”延長線としてのDIYが定着しつつあります。

また、近年はホームセンターやネット通販でもプロ仕様の工具や資材が手に入りやすく、初心者向けワークショップも充実しています。
安全のためには手袋・保護メガネなどを着用し、無理をせず計画的に作業することが大切です。
プロに頼む部分と自分でできる部分を上手に分けることで、費用を抑えつつオリジナリティのある家づくりが実現できます。

DIYで家づくりをするメリット

DIYで家づくりを取り入れると、コスト削減以上の魅力があります。ここでは代表的なメリットを紹介します。

コストを抑えられる

DIYの最大の魅力は、やはりコスト削減です。自分で作業を行う分、職人の人件費が不要になり、工事費用を大幅に節約できます。たとえば床張りや壁の塗装を自分で行えば、数万円〜数十万円単位で費用を抑えられるケースもあります。

富士・富士宮では広い土地を活かした平屋やガレージ付き住宅も多く、面積が増えるほどDIYによる節約効果も高まります。費用を浮かせた分を家具や断熱性能のグレードアップに回せるのも魅力です。

愛着のある家になる

自分の手で仕上げた部分は、完成後に見るたびに誇らしい気持ちになります。たとえば家族で一緒に塗ったリビングの壁、休日に仕上げたウッドデッキなど、「自分が関わった証」が家のあちこちに残ることで、住まいへの愛着が自然と深まります。

プロにすべて任せた家とは違い、手作業の温かみや多少の不揃いも「味」として感じられるのがDIY住宅の魅力です。

スキルが身につく

DIYを通じて、工具の使い方や素材の性質、塗料の扱い方など、住宅に関する幅広い知識が身につきます。一度経験しておくと、将来的にドアの建付け調整や棚の補修など、ちょっとした修繕を自分でこなせるようになります。

特に木材や塗装に触れることで、「家の構造を理解する力」が身につき、長く快適に暮らすための知恵が増えていくのです。

家族との思い出ができる

家づくりの過程に家族が関わると、完成した家に対して共有の思い出が生まれます。壁を一緒に塗ったり、庭の花壇を作ったりといった作業は、単なる労働ではなく家族のチームワークを育てる時間になります。特に子どもと一緒に作業する場合、創造力や集中力を育む良い教育体験にもなります。

家が完成したあとも「ここはみんなで作ったね」と語り合える場所が増えるのです。

DIYで家づくりをするデメリットとリスク

一方で、DIYには注意すべき点やリスクもあります。楽しさだけで判断すると後悔につながる可能性があるため、冷静な視点が欠かせません。

時間がかかる

DIYの最大の課題は、作業にかかる時間です。専門家は経験と道具を駆使して短期間で仕上げられますが、初心者が同じ作業を行うと効率が大きく落ちます。休日や仕事後の時間を使って進める場合、1週間で終わる作業が数か月かかることも珍しくありません。

特に家づくりのような大規模な作業では、計画通りに進めるためのスケジュール管理が重要です。富士・富士宮のように雨や湿気の多い地域では、天候によって作業日が左右されることも多く、予定がさらにずれ込む可能性もあります。時間的な余裕を持って取り組むことが前提になります。

品質の保証が難しい

DIYは「自分の手でつくる楽しさ」が魅力ですが、品質面ではプロとの差が出やすいのが現実です。
塗装ムラや接着の甘さ、仕上げの精度など、見た目や耐久性に違いが出やすく、数年後に劣化や剥がれが目立つこともあります。

特に構造部分や防水処理などは、施工精度が安全性に直結します。誤った施工は雨漏りや歪みの原因にもなりかねません。

そのため、重要な工程は工務店や専門業者に依頼し、DIYは仕上げや装飾などの範囲にとどめるのが現実的です。富士・富士宮でも、施主が仕上げのみ担当する“ハーフDIY”を推奨する工務店が増えています。

法律や規制が関わる部分は不可

建築工事には法律で定められた資格や許可が必要な作業が多く存在します。
たとえば、建築確認申請が必要な工事や電気配線、水道管、ガス管の接続などは、有資格者でなければ行えません。

DIYで全てを完結させることはできず、法的な制約を理解しておく必要があります。
特に電気・ガス工事は命に関わるリスクがあり、資格のない人が作業した場合は事故だけでなく法的責任を問われる可能性もあります。

安全で合法的な家づくりのためには、「どの範囲までDIYが許されるか」を事前に工務店や自治体に確認することが大切です。

怪我や事故のリスク

DIYには常に怪我や事故のリスクが伴います。
高所での作業や、丸ノコ・ドリルなどの電動工具を扱う際は特に注意が必要です。慣れない姿勢や力加減でケガをする人も多く、安全装備や作業環境の整備を怠ると大きな事故につながる危険があります。

また、脚立からの転落や木材の破片による目の怪我など、ちょっとした油断が思わぬトラブルを招くこともあります。

DIYに取り組む際は、必ず保護メガネ・手袋・マスクを着用し、作業前に十分な休憩と準備を行うこと。無理をせず、「危険だと感じた作業は専門家に任せる」という判断が、最終的には家と自分を守ることにつながります。

DIYでできる部分とできない部分

では実際に、家づくりの中でDIYが可能な部分と専門家に任せるべき部分を整理してみましょう。

DIY可能な部分

DIYで挑戦しやすいのは、内装や外構など、仕上げやデザイン性を重視する部分です。
たとえば壁の漆喰塗りやクロス貼り、フローリングの張り替え、塗装、棚づくりなどは比較的安全で初心者にも人気です。

特に漆喰や珪藻土の壁は、自然素材ならではの風合いが出るうえに調湿効果もあり、富士・富士宮の湿気対策としても実用的です。

また、庭のウッドデッキ設置やフェンスづくり、花壇のレンガ積みなども、DIYで工夫しやすい範囲です。外構を自作することで施工費用を抑えつつ、家の個性を表現できます。
DIYの醍醐味は「少しずつ家を完成させていくプロセス」にあり、休日ごとに進化していく空間は、住むほどに愛着が深まります。

プロに任せるべき部分

一方で、家の安全に関わる部分は必ず専門家に依頼する必要があります。
基礎工事、構造体の組み立て、屋根工事、電気・水道・ガスの配管、耐震補強などは、法律上も資格が必要な領域です。
誤った施工を行うと、家の寿命を縮めるだけでなく、重大な事故につながる危険性もあります。

富士・富士宮の地域は、地盤改良や基礎の安定性が家づくりの要となります。必ず信頼できる工務店や建築士に依頼しましょう。

DIYとプロ施工の線引きを明確にすることで、安全性とコスト削減を両立できます。

富士・富士宮で家づくりDIYに挑戦する際のポイント

地域の気候や生活スタイルを踏まえると、DIYに向いている部分・不向きな部分がより明確になります。

気候への配慮

富士山麓の気候は、冬の冷え込みが厳しく、夏は湿度が高いという特徴があります。そのため、DIYでは見た目だけでなく「気候に合う素材選び」が重要です。

漆喰や珪藻土の壁材、無垢フローリング、通気性の良い天然塗料など、湿気を逃がしつつ断熱性を高める素材を選ぶと快適です。

ただし、断熱材の施工や気密工事は高度な技術が必要で、DIYで行うのは危険です。
これらはプロに任せ、内装の仕上げ部分(壁・床・建具など)から少しずつ挑戦するのが現実的なスタートです。DIYは“デザインを楽しむ部分”に限定し、構造や断熱はプロと連携して行うことで、長く快適に暮らせる家づくりが可能になります。

車社会への対応

富士・富士宮は一人一台が当たり前の車社会。そのため、駐車場やカーポートなどのスペースは必須ですが、これらは土間コンクリートの施工など専門技術が必要なため、DIYには不向きです。

一方で、庭のアプローチや花壇、フェンスなどの外構部分はDIYで十分に工夫できます。
たとえば、砂利敷きの駐車スペースを枕木で縁取ったり、車の通り道に耐久性のあるレンガを敷いたりすることで、低コストで見栄えの良い外構づくりが可能です。

アプローチや外灯の配置を自分で考えると、帰宅時に「自分の家らしさ」を実感できる特別な空間になります。

富士山の景観を活かす

富士・富士宮ならではの家づくりの魅力は、なんといっても富士山を望むロケーションです。
DIYでウッドデッキを自作したり、窓周りに木製ルーバーやカウンターを取り付けたりすることで、富士山を眺める“特等席”を自分の手でつくれます。

たとえば、リビングの延長にデッキを設けて、アウトドアチェアを置けば、朝日や夕暮れの富士山を楽しむ癒しの時間が生まれます。

DIYならではの自由な発想で、景観と暮らしを融合させた空間デザインを実現できます。

地盤の問題

DIYで最も注意が必要なのが地盤と基礎です。
富士・富士宮の土地は場所によって火山灰層や水はけの悪い地盤があり、地盤改良工事の有無で住宅の安全性が大きく変わります。ここはDIYで手を出すべき領域ではなく、必ず地盤調査を実施したうえで専門業者に依頼しましょう。

DIYは「家の上」に手を加える楽しみ方に留め、基礎や構造部分は完全にプロ任せにするのが安全です。
土台の品質を守ることが、長く安心してDIYを楽しむための前提条件です。

家づくりDIYの実例

実際にDIYを取り入れた家づくりの事例を見ると、取り組み方のイメージがしやすくなります。

【実例1】リビングの壁を漆喰でDIY塗装

休日に家族で少しずつ作業を進め、漆喰壁を完成させた事例。
職人のように完璧な仕上がりではないものの、自然なムラが味となり、家族の思い出が刻まれたリビングになりました。

調湿効果も高く、富士・富士宮の湿気対策としても実用的です。

【実例2】ウッドデッキを自作

「富士山を眺めながらコーヒーを飲む」という夢を叶えるため、庭にウッドデッキをDIYで設置した事例。
業者に頼めば数十万円かかる施工も、自分たちで木材を選び、週末ごとに少しずつ作業を進めて費用を半分以下に抑えました。
完成後は家族や友人との憩いの場となり、景観を活かした暮らしの象徴に。

【実例3】子ども部屋の棚やデスクをDIY

成長に合わせて使い方を変えられるよう、可動式の棚と勉強デスクを自作した事例。
市販の家具よりもサイズがぴったりで、部屋全体に統一感と温もりが生まれました。
DIYの知識が増えることで、子どもが成長した後のリフォームにも自信を持って対応できるようになります。

DIYを成功させるための準備とポイント4選

DIYを成功させるためには、ただ勢いで始めるのではなく、入念な準備が欠かせません。

【ポイント1】計画書を作る

DIYを成功させる第一歩は、明確な計画を立てることです。
どの部分を自分で施工し、どの部分を業者に依頼するのかを明確にしないと、途中で手が止まったり、材料が無駄になることもあります。
まず「DIYの目的(節約・デザイン・体験)」を整理し、作業内容を細分化しましょう。

さらに、「どのくらいの予算と時間をかけられるか」も重要です。
資材費だけでなく、工具購入費や塗料・消耗品のコストも含めて見積もります。
DIYは想定よりも時間がかかるものなので、休日ごとに進める計画を立て、無理のないスケジュールを作成しましょう。
計画書はノートやExcelなどで管理し、進捗を記録していくとモチベーション維持にもつながります。

【ポイント2】必要な工具を揃える

DIYの仕上がりを左右するのは「道具の質」と「使い方の理解」です。
基本的には、電動ドリル、インパクトドライバー、丸ノコ、サンダー(研磨機)、メジャー、水平器などが必須です。
これらはすべてを新品で揃える必要はなく、ホームセンターのレンタルサービスを活用すれば初期費用を抑えられます。

また、作業内容によってはノコギリやタッカー、ペンキローラーなどの手工具も必要になります。
購入する際は「DIY用」よりも「プロ仕様の入門モデル」を選ぶと、壊れにくく仕上がりも安定します。
使い方に不安がある場合は、YouTubeやメーカー公式サイトの使い方動画で事前に確認しておくのが安全です。

【ポイント3】練習する

いきなり壁塗りやウッドデッキなどの大掛かりなDIYに挑戦するのは避けましょう。
まずは小さな棚やスツール、鉢置き台などの**「ミニプロジェクト」**から始めるのがおすすめです。
木材のカットや組み立て、塗装の感覚をつかむことで、次のステップへの自信がつきます。

小規模な練習を通して、寸法の測り方やビスの打ち方、塗料のムラを抑えるコツなど、基本的なスキルを習得できます。
また、失敗しても修正が容易なので、試行錯誤しながら上達できます。
家族と一緒に作る練習作品を通じて、「DIY=楽しい」と感じられることも大切です。

【ポイント4】安全対策を徹底する

DIYにおいて最も大切なのは安全管理です。
特に電動工具を扱う際には、手袋・ゴーグル・防塵マスク・耳栓などの保護具を必ず装着しましょう。
サンダーや丸ノコは木くずや金属片が飛ぶため、目や呼吸器を守ることが欠かせません。

また、作業環境も重要です。
屋外で作業する際は風向きや天候を確認し、屋内では十分な換気を確保してください。
延長コードを使用する場合は電力容量を超えないよう注意し、子どもやペットが近づかない環境を整えましょう。
安全を守ることで、作業中の集中力が高まり、結果的に仕上がりの精度も向上します。

DIYとプロを組み合わせた家づくり

すべてをDIYにする必要はありません。プロとDIYを組み合わせることで理想と現実のバランスを取ることができます。

構造部分や設備工事はプロに任せ、内装や外構の一部をDIYで仕上げるスタイルが一般的です。

富士・富士宮でも、工務店が「施主参加型の家づくり」を提案するケースがあり、壁塗りや床張りをDIYで行うと工事費が抑えられるだけでなく、家に対する愛着も高まります。

まとめ

DIYで家づくりをするのは夢がありますが、同時に現実的な制約も多いことを理解する必要があります。

DIYの魅力はコスト削減や愛着のある住まいづくりにありますが、安全性や法律面を考えると、できる範囲は限られています。特に富士・富士宮のように地盤や気候に特徴のある地域では、DIYとプロの役割分担を明確にすることが成功の秘訣です。

家族で取り組める部分を楽しみながら、自分たちらしい住まいを実現していきましょう。